原因不明不妊症

原因不明不妊症について

原因不明不妊症とは、不妊検査を行っても原因が解明されない不妊症です。「原因不明不妊症」だと医師が判断した際は、タイミング法(自然妊娠)や⼀般検査といったものよりも原因を細かく調べられる精密検査やステップアップした治療を検討します。特に、不妊期間が1年以上の方や、35歳以上の女性の場合は、精密検査をお受けになることを推奨いたします。

腹腔鏡検査

手術でお腹に穴をあけて、内視鏡を挿入して⼦宮と卵管、卵巣を直接観察する検査です。外来のみで行っている施設と短期入院で行っている施設があります。原因不明不妊の多くは、卵管采(らんかんさい)が周囲に癒着する「ピックアップ障害」によるものです。ピックアップ障害は、子宮卵管造影検査ではなかなか発見できない障害で、子宮内膜症などの疾患で引き起こされます。腹腔鏡検査中に構造的なピックアップ障害が発見できた場合、検査中にすぐに癒着を剥がす治療へ移ることが可能です。しかし、腹腔鏡検査は全身麻酔をかけて行わなければならず、患者様への身体的ストレスと検査効果を天秤にかけて、当院では検査目的のみの腹腔鏡検査は、行わない方針としています。

腹腔鏡検査の効果

卵管采の癒着を剥がした女性(35歳まで)の50%〜60%が、術後1年以内に⾃然妊娠ができるようになったと報告されています。術後1年経過しても妊娠に至らなかった女性は、体外受精を検討します。

体外受精

体外受精は卵管を使用せずに妊娠成立を目指す治療であるため、卵管采の癒着があってもできます。また、体外受精をすることで、卵⼦の状態や受精の可否などが細かく把握できます。腹腔鏡検査よりも妊娠するまでの期間が早いため、結果的に腹腔鏡検査の意味がどこまであるのか、非常に判断は難しいです。特に加齢に伴って、卵⼦は老化するため、35歳以降の女性は治療スピードを考えて、体外受精を推奨いたします。

keyboard_arrow_up