当日血液ホルモン検査

当日血液ホルモン検査

妊娠には様々なホルモンが影響します。これらのホルモンの分泌量が適正なものか調べることで子宮や卵巣の機能を確認できるほか、排卵障害など有無を確認することもできます。
なお、各ホルモンには生理周期に応じた検査に適した時期があります。不妊の原因を見つけ、妊娠へつなげる、あるいは婦人科疾患の改善に向かうため、適正な時期に積極的に検査を受けましょう。
※当院では体外受精前の排卵誘発時など、速やかに検査結果が出る必要がある方に対して、迅速ホルモン採血機器を用いて「最短45分」で検査結果をお伝えしております。

AIA-CL1200 | https://www.diagnostics.jp.tosohbioscience.com を参照

性ホルモンについて

FSH
(卵胞刺激ホルモン)

脳下垂体から分泌され、卵巣に作用して卵胞(卵巣内にある卵子を包む袋)を発育させる働きがあるホルモンです。また、黄体化ホルモン(LH)と一緒に、エストロゲンの合成をサポートする作用もあります。検査でFSH値を調べると、「卵巣自体が持っている、卵胞を発育させて排卵させる能力」が予測できます。このFSH値が正常値よりかなり高かった場合、卵巣の機能が悪いと判断されます。

LH
(黄体化ホルモン)

LH(黄体化ホルモン)は、脳下垂体から分泌されるホルモンで、成熟した卵子を排卵させ、黄体を形成させる作用があります。排卵から36時間前に、LH分泌のスパイク状ピークが起こります(LHサージ)。血液中のLHを測定することで、排卵の時期が予測できます。

エストロゲン
(卵胞ホルモン)

エストロゲン(卵胞ホルモン)とは、卵巣にある顆粒膜細胞という細胞から分泌されるホルモンです。女性ホルモンともいわれます。卵胞期に子宮内膜を厚くし、排卵前に子宮頚管粘液量を増加させる作用があります。

プロゲステロン
(黄体ホルモン)

排卵した後に形成される黄体から分泌されるホルモンです。子宮内膜に作用して内膜の性状を変化させることで、着床しやすい環境に整えたり、子宮の筋肉の緊張を低下させたりする働きがあります。黄体機能不全は着床障害や流産の原因となるとされています。従来は、黄体期(基礎体温表の高温期)のプロゲステロン値を測ることで、黄体機能について調べましたが、現在は黄体機能検査不全は、根拠が低いとされるようになってきています。

プロラクチン
(乳汁分泌ホルモン:PRL)

乳汁分泌ホルモンという別名の通り、授乳時に多く分泌されるホルモンです。このホルモンは脳下垂体から分泌され、女性だけではなく男性でも少量分泌されています。数値が高くなると男女ともに不妊症へつながります。女性の場合、プロラクチンが高くなると、排卵障害や無月経、黄体機能不全が現れます。
一日の間に数値が変動するため、日中の血液検査では問題がなくても、夜間・睡眠時にホルモン値が高くなる方もいます。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)
甲状腺ホルモン(T3・T4)

脳下垂体から分泌され、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモン(T3、T4)の分泌を促すホルモンです。身体の基礎代謝に関係しているホルモンで、多すぎても少なすぎても、不妊や流産や死産のリスクが高まります。

ヒト絨毛性ゴナドトロピン
(hCG)

妊娠を維持しようと促すホルモンです。通常、排卵後10~14日目になるとhCGは急激に上昇し、妊娠9~13週目になると1~10万mIU/mlに達します。
検査では、妊娠の有無だけではなく、流産や子宮外妊娠、絨毛性疾患などがないかも調べていきます。妊娠経過を見るのにとても重要な検査です。

血算(全血球計算)

血算(正式名称:全血球計算)とは、血中に含まれている赤血球(RBC)と白血球(WBC)、血小板(PLT)の数や大きさ、ヘモグロビン濃度やヘマトクリット値など、血液のことを細かく測定する検査です。CBC(Complete Blood Count)とも呼ばれています。これらを調べることで、貧血や感染症、血小板減少による出血傾向の有無などが分かります。

CRP

体内で炎症が起きたり、組織細胞に障害が起きたりすると、「Cリアクティブプロテイン(C反応性蛋白)」が増加します。CRP検査は、このタンパク質の数値を調べ、感染症や炎症の有無などを調べる検査です。
どこの臓器に異常が起きているかは特定できませんが、炎症の有無を確かめるにおいて、とても重要な検査です。基準値(0.30mg/dL以下)より明らかに高い場合は慢性感染症や膠原病などが疑われ、少し高い場合は感染症または内分泌疾患などが疑われます。

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